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いらっしゃい。今夜は、ずいぶん長く待たされた一杯の話をさせてくれ。
クリスタル・パレスの鎌田大地が、10月11日のノッティンガム・フォレスト戦で、ついにプレミアリーグ初ゴールを決めた。数えてプレミア68試合目。2024年夏にパレスへ来てから、2シーズン以上もリーグ戦のゴールだけが遠かった男だ。島じゃ、客人が杯を飲み干すまで場は終わらない。鎌田の杯も、やっと空いたというわけだ。
結論:68試合目の初ゴール、そこから公式戦2戦連発
| 日付 | 試合 | 結果 | 鎌田 |
|---|---|---|---|
| 10/11(日) | プレミア第6節 パレス vs フォレスト(ホーム) | 3-1 勝利 | 41分に同点ゴール。プレミア68試合目の初得点 |
| 10/15(木) | ヨーロッパリーグ第2節 リヨン vs パレス(アウェー) | 2-3 敗戦 | 後半17分から出場し、81分にゴール。公式戦2試合連続 |
| 10/18(日) | プレミア第7節 ブライトン vs パレス(アウェー) | 0-5 敗戦 | 先発して81分までプレー。チームは大敗 |
- プレミアでの出場は、1年目34試合・2年目28試合、そして今季6試合目でようやく得点(英語版ウィキペディアの記録とサッカーキングの報道で確認)
- サッカーキングによれば、プレミアで得点した日本人は鎌田で13人目
- 相手のフォレストを率いるのは、フランクフルトとパレスで鎌田を指導した恩師グラスナー監督だった
「68試合」はなぜこんなに長かったのか
役割はゴールより「つなぎ役」だった
鎌田は2024年7月、フランクフルト時代の恩師オリバー・グラスナー監督に呼ばれる形で、パレスへ自由移籍で加わった。クラブ史上初の日本人選手だ。ただ、グラスナーのパレスで任されたのは、主に中盤の底で守備とビルドアップを支える仕事。フランクフルトで見せた「ゴール前に顔を出す鎌田」とは、求められる仕事が違った。
それでもチームの中での存在感は大きかった。1年目の2025年5月にはFAカップ決勝でマンチェスター・シティを1-0で破り、クラブ史上初の主要タイトルを獲得。2年目の2026年5月にはカンファレンスリーグ決勝でラージョ・バジェカーノを1-0で下し、クラブ初の欧州タイトルまで手にした。準決勝のシャフタール戦では、鎌田自身が左足でゴールを決め、クラブ公式の取材に「左足もときどきはうまくいくんだ」と笑っていた。
リーグ戦だけが「呪い」のように遠かった
カップ戦や欧州の舞台では点を取れても、プレミアだけはなかなか決まらなかった。サッカーキングによると、鎌田は初ゴールの後、自身のSNSに英語で「プレミアで点が取れないことが呪いのように感じていた」という趣旨の言葉をつづったという。本人がいちばん気にしていたのは、間違いない。
初ゴールの場面:恩師の目の前で
この夏、グラスナー監督はパレスを離れ、今はフォレストを率いている。パレスの新監督は、フランスのランスなどを率いたピエール・サージュ。つまりこの試合は、恩師が古巣に戻ってくる一戦だった。
試合は3分にフォレストのダン・エンドイェが先制。前半はフォレストが押し込み、FotMobによると前半だけでシュート16本を浴びた。それでも41分、パレスは中央での短いパス交換から崩し、ペナルティーエリアに入った鎌田が冷静に決めて同点。VARの確認を経てゴールが認められた。
ここから流れが変わる。前半アディショナルタイムにレルマがCKから頭で勝ち越し点を奪い、59分にはピノが3点目。パレスは3-1で逆転勝ちした。FotMobによれば、パレスがプレミアでフォレストに勝ったのは13回目の対戦で初めて。サージュ監督にとっても、ホームでの初めてのリーグ戦勝利だった。
鎌田は終盤に交代でベンチへ下がるとき、スタンドから総立ちの拍手で送られた。敗れたグラスナー監督も、古巣のスタンドから受けた歓迎について「ここで一緒につくった素晴らしい思い出の表れだ」と語っている(スカイ・スポーツ)。
勢いは止まらず、リヨンでも一撃
4日後の10月15日、ヨーロッパリーグのリヨン戦。パレスは0-2、1-3と追いかける展開になったが、後半17分から入った鎌田が81分、右サイドからの崩しに合わせてゴールを奪った。試合は2-3で敗れたものの、鎌田にとっては公式戦2試合連続ゴールだ。
ただし、良い話ばかりでもない。10月18日のブライトン戦は0-5の大敗。鎌田は先発して81分までプレーしたが、チームとして序盤の10分で3点を失い、立て直せなかった。初ゴールの勢いを、チームの浮上につなげられるかはこれからだ。
パレスの試合を日本で見る方法は、プレミアリーグを日本で見る方法にまとめてある。今季のプレミアは全試合、U-NEXTサッカーパックの独占配信だ。ほかの日本人選手の評価はプレミアで戦う日本人9人の現地評価(10月版)もどうぞ。
現地の声
英国のサッカー記者エド・アーロンズ(ガーディアン紙などで執筆)は、試合中にこう投稿した。要旨は「交代する鎌田にスタンディングオベーション。今日は見事で、68試合目でついにプレミア初ゴール。皮肉な巡り合わせは、グラスナーにも分かっているはずだ」。恩師の前で取った初ゴール、という巡り合わせに、現地の記者もにやりとしたわけだ。
BBCのラジオ「5ライブ」も、逆転の瞬間をすぐに伝えていた。
店主のひとこと
ゴールが取れない時期のボランチは、目立たない仕事を黙って続けるしかない。タイトルを2つ取ったチームで、その仕事を2シーズンやり切ったうえでの68試合目だ。店主としては、初ゴールそのものより「それでも使われ続けた」ことのほうに、この男の価値があると思う。
次の1点は、きっともう少し早く来る。島の献奉と同じで、最初の一杯さえ空けば、あとは杯が回り出すものだからな。
今夜の献奉はここまで。また次の試合で会おう。――FOOTY BAR店主
参考にした記事
- サッカーキング(2026年10月11日)
- サッカーキング(2026年10月12日)
- 熊本日日新聞/共同通信(2026年10月12日)
- スカイ・スポーツ(2026年10月11日)
- FotMob(2026年10月11日)
- マレー・メール/AFP(2026年10月12日)
- 熊本日日新聞/共同通信(2026年10月16日)
- シュド・ラジオ(2026年10月15日)
- 11v11(2026年10月18日)
- クリスタル・パレス公式(2026年5月1日)
- ウィキペディア英語版「2026年UEFAカンファレンスリーグ決勝」
- ウィキペディア英語版「Daichi Kamada」(出場記録)
※情報は記事作成時点(2026年10月20日)のものです。出場試合数は報道と公開記録をもとにしています。

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